覚醒剤の後遺症。元麻薬取締官が語る薬物汚染の恐るべき実態

2016/12/22
覚醒剤の後遺症など薬物汚染の深刻さが浮き彫りになっている昨今。
元麻薬取締官が語る薬物汚染の恐るべき実態を明かしました。
深刻な薬物汚染
元プロ野球選手・清原和博容疑者の逮捕や女優の高樹沙耶の逮捕など世間を騒がせている芸能界の薬物事情。
さらに、薬物使用の低年齢化も進み、今年だけですでに、高校生3人、中学生2人が、覚せい剤や大麻の所持で逮捕されています。また、昨年11月、小学6年生までが、「兄の部屋にあった大麻を吸った」と自白し摘発と改めて薬物汚染の深刻さが浮き彫りになっています。
色々な方法で日本に密輸される薬物
昨年7月には、台湾から日本に輸入されようとしていたマグロから、大量の覚せい剤が見つかる事件が発生しました。
なんと冷凍マグロ53体から、計138kg、推定末端価格にして14億円相当が発見されたのです。
そんな麻薬最前線で闘ってきた元厚生労働省・麻薬取締官(通称・マトリ)が薬物汚染の実態を語りました。
薬物汚染の恐るべき実態
2012年、福岡県博多港で、オランダから輸入されたある巨大なものに、約110kg、末端価格90億円相当の覚せい剤が隠されていました。
世界中で新しい密輸の手口が考えられているそうです。
ブラジルの国際空港では挙動不審の男性を警察官が男を連行し、病院でX線撮影をすると、胃や腸の中に、大量のカプセルがぎっしりと詰まっていました。
なんと、薬物入りのカプセルを72個も飲みこんでいました。
取り出したカプセルから、全部で830g、末端価格1600万円相当のコカインが押収されました。大部分は、飲みこんだものを、便と一緒に下から出します。
また、ひもをつけて、ソーセージみたいにして、それを奥歯にくくりつけて引っ張り出す場合もあります。飲みこんで満腹状態のため、飛行機では、「飲めない」「食べれない」となり、フライトアテンダントがおかしいと気づき、税関職員に通報したりします。中には、破裂するケースもあり、急性中毒になって、場合によっては死に至ります。
他にも、靴底の中に隠す、スノードームの中に溶かして持ち込む、ラー油の瓶に液状にして赤く着色し、持ち込むなど。さらには、ブラジャーのパッドの中、ろうそくの中にも隠したり。
元麻薬取締官が特に巧妙だと思ったのは、エビの冷凍ブロックに隠されたものでした。手口としては単純なのですが、実際に割ったり溶かすと輸送に差し障りがあるため、検査もためらいがちになるそうです。そういう心理状態を上手く利用して隠匿した方法です。
薬物中毒者の悲惨な末路
ロシアには合成麻薬「クロコダイル(ワニ)」という薬物があります。その薬物は強力な鎮静作用と引き換えに起こる、恐るべき体の変化で、クロコダイル乱用者の皮膚は、黒や緑に変色し、ワニのウロコのようになって、剥がれ落ちてしまいます。
また、アメリカのボランティア団体が、薬物中毒者への支援を求めるため、薬物中毒者の現状を公開しました。
精神状態だけでなく、ここまで無残に容貌を変形させた原因は覚醒剤の乱用を続けた末の幻覚のようです。覚醒剤には体中を虫が這うなどの幻覚症状があります。
顔を這う虫を追い払おうと、肌を掻きむしった末に痛々しいまで顏が変形してしまったのです。薬物は人間を破壊してしまう大変恐ろしいものですので、興味本位で一度だけと思って手をつけるとハマってしまい、人生を狂わせてしまいます。